マイホーム買う?借りる? 20代ファミリーが選ぶべき道は

  • 2019.8.19

 こんにちは、福岡市のファイナンシャル・プランナー(FP)の内山貴博です。
 今回は現在賃貸アパート住まいで、将来マイホームを購入するかどうかを迷っているAさん(20代)からの相談に回答します。

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《Aさんの相談》
 夫(20代)と娘(8カ月)の3人で賃貸アパート暮らしをしており、この先マイホームを購入するか否かで迷っています。もともとは夫の実家に戻る計画でしたが、夫が最近、実家に帰るかどうか悩み始めているのです。今は家賃と駐車場2台分の料金を払っているので、その分で月々のローン支払額くらいになるのではないかと、もったいない気もしています。

 現在、私は扶養の範囲内でパート勤務をしていますが、月6万~10万円と収入がばらばらです。2人目の子どもも欲しいと思っており将来は支出が増えるので、正社員で働くかパートで働くか、働き方も迷っています。

 もしマイホームを購入するのであれば、30歳までにローンを組み、定年前までに支払いを終わらせたいと考えています。どうするのが一番いいのか、教えてください。

 

考えられる選択肢をつなげてみる

出典:iStock.com/Peshkova

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 「賃貸か持ち家か」という選択を迫られ、頭を抱える人は少なくありません。Aさんはそれに加えて「夫の実家に戻る予定がある」という要素と、2人目の子どもが誕生する可能性も視野に入れて検討しなければならないため、非常に難しいところです。「こうするのが一番です」とお伝えしたいですが、Aさん一家が選択すべきことなので、今回はその手助けになるように、考えられるシナリオを整理したいと思います。

 ビジネスシーンで使われる「リアルオプション」という手法があります。今ある100億円をどう使うべきか。例えば海外に工場を建設するか、国内の従業員を増やすべきかといった選択肢がある場合に、考えられるオプション(選択肢)を描きながら、それぞれの確率やそこから生じるリスクやリターンなどを算出し、最終的にどうすべきか判断するものです。

 それをライフプランに適用してみました。一つ一つ起こりうる確率や投資額などを考慮すると複雑になりますので、シンプルに描き、それぞれのシナリオに目を通すことで向き合うべき課題や、決定する上での要素を確認したいと思います。

 《Aさん家族のリアルオプション》

 まずは大きく三つのステップに分けました。ステップ1は「マイホームを購入すべきかどうか」です。向き合うべき課題として以下が考えられます。第2子が誕生するかどうかが大きな分かれ目となります。

✓ 第2子が誕生した場合、今のアパートでの生活は何年ぐらい可能か

✓ 子どもの教育方針は?

✓ マイホームを購入する際は、第2子誕生を前提にするのか

 当初の予定どおり賃貸を継続する場合、子ども2人(またはそれ以上)が一定の年齢に達し、手狭になったころが実家に帰るタイミングになりそうです。それがいつ頃になるのか、実家は校区内なのか、今のアパートの広さや環境などを見直すことがポイントとなりそうです。

 あるいは、マイホーム購入をしなくてもアパートから別のアパートやマンションへの引っ越しというのも選択肢に加わるかもしれません。また、教育方針に強いこだわりがあれば、その環境を整えるのは早い方がいいでしょう。

 仮にマイホーム購入が優勢となった場合、今の3人家族での生活なのか、第2子誕生を前提にするのかで候補となる物件も変わってきます。よって、マイホームを決断するのは少し先送りし、「〇年以内に第2子が誕生したら、マイホームを買う(買わない)」というように、2人目ができるかどうかを判断基準にしてもいいかもしれません。

 おそらくマイホームを購入する場合、定年から逆算して「30歳までに住宅ローンを組みたい」という気持ちが強いと思いますが、実は住宅ローンを組む平均年齢は40歳前後です。そんなに焦らなくても十分、返済プランを立てることができますよ。

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後悔しないための選び方とは

 このようにそれぞれのステップで起こりうるイベントを想定しながら熟考してください。
 もし私たちが山道で迷い、分かれ道にたどり着いたとします。きっと、その先がどうなっているのか、できる限りの情報を得ようとするはずです。これが重要なのです。

 上のように図式化することで明確な分かれ道が見えてくるため、「現在の家賃とローン月額が同等ならば、家賃がもったいないから住宅を購入しよう」ではなく、「住宅を購入した場合、ローン以外にどれくらいの負担が生じるのか。ローンを組むと減税制度があると聞いたが、どれくらいの効果があるのか」といったところまで考えれば、きっと後悔しない選択につながると思います。

 次にステップ2です。「マイホームを購入し実家に戻る」ならば、できるだけ高く売却できるエリアや物件、または賃貸できそうなエリアや物件がよいでしょう。Aさんがマイホーム購入を検討しているエリアの不動産市況、今後の動向なども可能な限り情報収集するとよさそうです。

 ステップ3は「実家に戻るかどうか」。ここは夫の意向が強くはたらくところだと思います。当初「一定のタイミングで賃貸⇒実家」が想定されていたのに、それが現在揺らいでいます。ということは、最終的に「実家に戻りたいのかどうか」ということ次第で、全体の流れが決まりそうです。

 「家は? 子どもは? いつ実家に?」と複数の問題を投げかけられると、夫にとっては重たい質問になるかもしれません。ぜひシンプルに「実家に戻る可能性」だけ質問することで、大きな流れを決めたうえで各パーツを詰めていってください。

 最後にAさんの働き方です。「正社員とパートで迷っている」とのことでしたので、一番適したシナリオ、一番可能性が高いシナリオに対応する働き方はどちらなのか、と考えると答えが見えてくるのではないでしょうか。例えば以下のような意思決定です。

✓ 住宅購入の確率が高くなった→正社員として働き、少しでもローン負担を軽減する

✓ どうしても2人目が欲しくなった→出産・子育てしやすい働き方を優先する

出典:iStock.com/takasuu

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すごろくや迷路の感覚で

 今回は、どのように意思決定すべきかに焦点を当てました。具体的にライフプランを描いたことで少しヒントがあったのではないでしょうか。

 今回のケースは一例です。より具体的に描くことも可能ですし、違う選択肢を盛り込んでもいいと思います。子どものころ、すごろくや迷路を作り楽しんだように「リアルライフプラン」を作成し、ドキドキわくわくしながら、これから進む道を一つ一つ選んでみてください。何度か行ったり来たりすることで、きっと「住宅を買った方がよいのかどうか」「どのような働き方が適しているのか」の答えが見えてくると思います。

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※情報は2019.8.19時点のものです

内山FP総合事務所株式会社 代表 内山 貴博

「FPとしてできることは何でも挑戦したい」という強い思いで、屋号に「総合」を付け幅広いFP業務を展開。 コンサルティング業務に加え、金融機関研修や講演などに注力している。 
日本での生活やお金のことに疑問を抱える外国人に向け、FPコンサルティング(英語)も実施している。

HP http://ufp.webin.jp/

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