『西郷どん』最期の戦い4 当時の新聞についていた画期的な附録とは?

西郷隆盛の生涯を描く大河ドラマ『西郷どん』。その最期の舞台となるのは、52歳の生涯を閉じることになる「西南戦争」だ。九州が戦場になった「西南戦争」を福岡の人たちはどう受け止めていたのか。
140年前の新聞を元に『西郷どん』の最期の戦いを再現してみよう。

【前回の話はこちら▼】

『西郷どん』の最期の戦い3 弾雨の中、トンデモ親子が出現

前回の筑紫新聞カルトクイズ3

創刊号についた画期的な附録とは?

(1)カラー印刷の戦場地図
(2)戦場から持ち帰った土
(3)官軍の将軍たちの似顔絵

答えは(1)カラー印刷の戦場地図でした!

 

附録の地図に、小さな地方紙の心意気を見る

「筑紫新聞」創刊号には、記事で触れた戦場が一目でわかるように、と、熊本県北部の両軍の配置を地図が附録としてついていた。美濃紙を四つ折りとした立派な地図だ。

しかも、今日現存する地図は多色刷りとなっている。

「筑紫新聞」第1号には付録として多色刷りの西南戦争戦況図が添付された(西日本新聞社提供)

「筑紫新聞」第1号には付録として多色刷りの西南戦争戦況図が添付された(西日本新聞社提供)

附録地図を唯一所蔵する福岡市博物館で確かめると、印刷後に彩色された形跡があり、後世、この地図を入手した誰かが彩色した可能性もある。

もし同じ地図が他で発見され、同じように彩色されていたら、発刊当時から多色刷りだったことになり、附録すべてを手作業で彩色した熱情あふれる附録だったと認識できる。

戦場地図は、「東京日日新聞」が3月26日、「郵便報知新聞」が3月28日に附録添付しており、3月24日に誕生したばかりの「筑紫新聞」が中央紙より早く、地図を附録にしていた。

『西郷どん』は洋装し、護衛千人

「筑紫新聞」第2号には、入手しにくい『西郷どん』の動向も「高瀬在住の人より連絡あり」と、伝えている。

鹿児島市・城山のふもとに立つ西郷隆盛の銅像(西日本新聞社提供)

鹿児島市・城山のふもとに立つ西郷隆盛の銅像(西日本新聞社提供)

『西郷どん』の所在は「ある神社に3日、知人宅に4、5日、その後は春日の祇園山の下の陣地にいた」と伝え、『西郷どん』の姿は「衣服は洋服」。護衛の様子は、「周囲には刀を持った侍が20人ばかりそばを離れず、さらに千人くらいが警護している」。

薩摩軍の「炊き出しは迎町益城屋、春竹、島崎ほか2箇所。会計局は迎町扇屋。病院は川尻にある」「1日10銭から15銭で労働者を雇い、食糧は、地元の豪農から数百、数千俵という単位で提供を受けている」など薩摩軍の動向を詳しく伝えている。

同時に「反乱に加担した鹿児島県知事、大山綱良の官職を取り上げる」政府通知も掲載するなど、少ない紙面に情報を満載している。

薩軍本陣跡=熊本市二本木町(西日本新聞社提供)

薩軍本陣跡=熊本市二本木町(西日本新聞社提供)

戦場は熊本県北部。福岡の人々には、「西南戦争」の序盤は、戦争の実感があまりない、そういう空気だったと思う。だが、3月末の事件が起きると、その空気は一変する。

「筑紫新聞」第3号(明治10年4月2日)は、福岡の人々も戦争と騒乱に巻き込む大事件の勃発を伝えた。

「筑紫新聞」は、その大事件を地元の新聞社として生々しく報道してゆく。

■筑紫新聞カルトクイズ4

福岡で起きた大事件とは
(1)旧・福岡士族が反乱を起こした
(2)物価が高騰し庶民の生活が混乱
(3)戦争の最中に強盗が多発した件

答えは次回!『西郷どん』最期の戦い5 反乱軍の蜂起で福岡は騒然

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※情報は2018.6.14時点のものです

げこげこ大王28世

1997年1月から2005年12月まで、げこげこ大王7世として、カエルに特化したニュースを集めたインターネット「」を運営。1999年から2008年まで10年間、そこから派生したイベント「福岡かえる展」を主宰した。

2012年、げこげこ大王28世の名で、筑豊を舞台にした映画脚本「川筋男貫徹炭坑節命(かわすじおのこくわんてつたんこうぶしいのち)」が・優秀賞を受賞。2013年、福岡市ワンミニットフィルム コンペティションで映像作品「」(古野翼監督、優秀賞受賞)の脚本を担当。地元、九州を描いた創作も続けている。

現在は、フェイスブック上で「」を主宰し、2018年、10年ぶりに「福岡かえる展11」を復活する。

趣味は古今東西の戦記を読むこと。西郷隆盛の最後の戦い「西南戦争」を報道した明治時代の新聞「筑紫新聞」(1877年、明治10年)の読み解きにもかかわり、当時の戦況報道を検証している。

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