古都の町屋でババ・ニョニャ料理【マレーシアでグルメ旅1】

 マレー系、中華系、インド系…。さまざまなルーツのある人たちが共存する多民族国家のマレーシアは、バラエティー豊かな料理が楽しめるのが魅力です。3月に格安航空会社(LCC)エアアジアXが福岡―クアラルンプール線を就航したのを機に、十数年ぶりにマレーシアを訪れ、現地の食を堪能してきました。旅の様子をシリーズでお届けします。

ピンクの教会などが印象的なオランダ広場前

 今回の旅では、首都クアラルンプールを起点にマレー半島西側を南下し、南端のジョホールバルまで三百数十kmを巡りました。第1回は、古都マラッカで食べた「ババ・ニョニャ(Baba Nyonya)料理」を紹介します。

 マラッカは、首都から約140kmの港湾都市。海上交通の要衝であったことから、16世紀以降、ポルトガル、オランダ、英国などの強国に支配され、独特の文化が形成されたといいます。ピンク色の教会などが目を引く街の中心部「オランダ広場」周辺は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも登録され、私が訪れた日も多くの観光客でにぎわっていました。

古い建物をカラフルにペイントした街並み

 オランダ広場からすぐの場所に、ババ・ニョニャ料理のレストラン「ニョニャ(Nyonya) 63」があります。

「Nyonya 63」の入り口

 ババ・ニョニャとは、マレーシアに移り住んだ中国人男性とマレー系女性の間に生まれた子どもを指す言葉(男の子が「ババ」、女の子が「ニョニャ」)。古都マラッカではババ・ニョニャの文化が根付き、建物や料理などさまざまなところにマレーと中国の融合したスタイルに出合えます。

 レストラン「ニョニャ63」のある建物は、京都の町屋のような「うなぎの寝床」の造りです。玄関から奥に細長く伸び、すてきな中庭などを通って、さらに進むと、吹き抜けのレストランスペースにたどり着きます。重厚な木の内装に赤を基調にした内装。シックな印象です。

色とりどりの傘が飾られた中庭

赤を基調にシックにまとめられた店内

 円卓に着くと、料理が運ばれてきました。

マレーと中国の要素が合わさったババ・ニョニャ料理

 一見、普通の中華料理のようにも見えますが、全体的にココナツや香辛料がよく使われ、独特の味わいを生み出しています。丸ごと1尾を揚げた魚料理は、甘辛いソースと合わせるとなお美味。マレーシアで広く食べられている、魚のすり身を蒸した「オタ・オタ(Otak-Otak)」も並んでいます。

魚のすり身を蒸したオタ・オタ

  食事中に出されるお茶が甘いのも「マレーシアならでは!」と感じました。

青い色の甘いお茶

 シェフのKeong(キョン)さんがババ・ニョニャ料理の食材についてクミン、コリアンダー、シナモンなど、さまざまなスパイスを使っているのだと説明してくれました。

 中でも特徴的なのが、ショウガ(Torch Ginger Plant)の花や、マングローブに生育する木「ボア・カルア(Buah Keluak)」の種。これらを入れると香りがよくなるのだそうです。

ショウガの花

ボア・カルア

 「地元の最高の食材を使い、マラッカで最も本格的なババ・ニョニャ料理を作るシェフでありたい」と話してくれたKeongさん。その言葉通り、どの料理も洗練された上品な味でした。

食材について説明するシェフのKeongさん

 マレーシアの歴史や文化を感じるババ・ニョニャ料理。マラッカにはほかにも趣ある建物を使ったレストランがあるので、ぜひその雰囲気と料理を味わってみてください。

Nyonya 63
No.63 Jalan Tun Tan Cheng Lock
75200 Melaka
Tel:+606 288 2885

旅のメモ
マレーシアの観光情報はマレーシア政府観光局
福岡―クアラルンプール線を運航するアジア最大級の格安航空会社(LCC)エアアジアX

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※情報は2019.6.1時点のものです

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